なぜラバーダムをしない歯医者がいる?保険適用の真実と苦しい時の対処法

「根管治療にはラバーダムが必須だとネットで見たけれど、私の通っている歯医者さんでは使っていなかった……」
「できれば保険適用の範囲内で、ラバーダムを使った治療を受けたい」
「でも、お口をゴムのシートで覆われると、息が苦しくならないか不安……」
歯の根の治療(根管治療)について調べる中で、このような疑問や不安を抱えていませんか?

本記事の結論からお伝えしますと、日本の保険診療ではラバーダムに対する評価(点数)がなく、医院側にとって実質赤字になってしまうなどの理由から、使用しない歯医者さんが多いのが現実です。しかし、大切な歯を将来に残すための根管治療において、ラバーダムは不可欠な処置です。

この記事では、ラバーダムをしない歯医者さんがいる理由から、保険適用の複雑なルール、そして「苦しい・怖い」といった不安への具体的な対処法まで、専門用語をなるべく使わずにわかりやすく解説いたします。

投稿者は、名古屋市東別院駅から徒歩15分の久野歯科医院です。

当院では、マイクロスコープとラバーダムを使用した根管治療を行っており、従来の治療では抜歯となっていた難しい症例でも、歯を残せる可能性が大幅に高まります。

目次

ラバーダムとは?なぜ根管治療において重要視されるのか

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ラバーダム防湿とは、治療する歯だけを露出させて、お口全体をゴムのシートで覆う処置のことです。

お口の中には、耳かき1杯分の唾液に約1億個もの細菌が存在すると言われています。根管治療は、歯の内部の感染を取り除く治療ですが、治療中に唾液が入り込んでしまうと、新たな細菌が侵入してしまいます。
ラバーダムは、この細菌の侵入を徹底的にブロックし、無菌に近い清潔な環境を作るための「命綱」とも言える大切な役割を持っています。

ラバーダムをしない歯医者がいる4つの理由とリスク

非常に重要なラバーダムですが、米国では90%以上の根管治療においてラバーダムが標準的に使用されている一方で、日本国内の普及率はわずか5.4%程度と言われています。なぜ使用しない医院があるのでしょうか。

引用元:日本歯内療法学会雑誌 24巻 (2003) 3号

理由① 保険診療における点数がなく実質赤字になるため

最大の理由は、日本の保険制度にあります。以前はラバーダムを使用すると100円の保険点数がありましたが、現在では廃止され、実質無料(0円)の扱いとなっています。
材料費や準備の手間を考えると、保険診療の枠内でラバーダムを使用することは、医院にとって経営的な赤字に直結してしまうという厳しい現実があります。

理由② 1回の治療時間が短く、装着の手間がかけられないため

ラバーダムの装着には、正しい位置の調整など丁寧な準備が必要です。保険診療では1日に多くの患者さんを診察しなければならないことが多く、限られた治療時間の中では、どうしてもこの手間が省かれてしまう傾向にあります。

理由③ 患者さんの「息が苦しい」などの違和感へ配慮するため

初めてラバーダムを装着される患者さんの中には、「お口が開けにくい」「圧迫感がある」といった違和感を覚える方もいらっしゃいます。
優しい歯医者さんであるほど、患者さんのそうしたストレスを避けるために、あえて使用しないという判断をすることもあります。

注意!ラバーダムをしないことで生じる細菌感染と誤飲リスク

ラバーダムを使用しないことには大きなリスクが伴います
唾液とともに細菌が根の中へ侵入するため、治療後に痛みが再発するリスクが高まり、最悪の場合は大切な歯を抜かなければならなくなります。

また、根管治療で使う非常に細い器具や強力な消毒液を、誤って飲み込んでしまう(誤飲)危険性も高まります

根管治療のラバーダムは保険適用で受けられる?費用の真実

では、費用を抑えられる保険診療で、ラバーダムを用いた治療を受けることはできるのでしょうか。

ラバーダム自体は保険適用外(0円)という前提

前述の通り、国のルールにおいてラバーダム自体には保険点数が設定されていません。
つまり、ラバーダムという処置そのものを「保険適用で請求する」ことはできません。保険適用の範囲内でラバーダムを実施しようとすると、歯科医院側の持ち出しになってしまうのです。

保険診療内でラバーダムをしてくれる歯医者の探し方

探すのは難しいですが、歯科医院側の持ち出しによって、サービスとしてラバーダムを実施しているクリニックも存在します。
どうしても保険診療の範囲内で治療を受けたい場合は、事前にウェブサイト等でラバーダムの使用方針を確認することをおすすめします。

自由診療(自費)の精密根管治療との決定的な違い

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ここで知っておいていただきたいのは、保険診療と自由診療(自費)の「決定的な違い」です。

保険診療の根管治療は、使用できる器具や時間に制度上の厳しい制限があります
一方、当院がご提供している自費の「顕微鏡下根管治療」では、ラバーダムによる完全な無菌環境のもと、マイクロスコープで内部を拡大し、柔軟性の高い専用器具や、再発を防ぐMTAセメントなどの最高基準の材料を制限なく使用できます。

十分な時間を確保できるため、将来的な再発リスクを劇的に下げ、生涯にわたってご自身の歯を残せる可能性が高まります。

要注意!マイクロスコープ×ラバーダムの保険適用ルール

マイクロスコープが保険適用になるのは大臼歯(奥歯)のみ

マイクロスコープを用いた治療(手術用顕微鏡加算:400点)が保険適用として認められるのは、根の形が複雑な「大臼歯(奥歯)」の根管治療のみです。
前歯や小臼歯の治療においては、マイクロスコープを使用しても保険での加算は認められません。

根管治療の再発(歯根端切除術)など特殊なケースの条件

初回の根管治療ではなく、治療後に細菌感染が再発してしまい、歯の根の先端を外科的に取り除く「歯根端切除術」などの特殊で難易度の高いケースにおいて適用されるルールとなっています。

歯科用CT(CBCT)撮影の必須条件と厳しい施設基準の壁

この保険算定を行うためには、事前に歯科用CT(CBCT)による立体的な画像診断を行うことが必須条件です。

また、その医院が厚生労働省の定める厳しい施設基準をクリアし、専門知識を持つ歯科医師が配置されている必要があります。条件は非常に限定的であることをご理解ください。

ラバーダムが苦しくてパニックになる原因と具体的な対処法

ラバーダムの重要性はわかっても、「どうしても苦しい」「パニックになってしまう」という不安を抱える方も少なくありません。

原因① 鼻炎や口呼吸による「息苦しさ」

ラバーダム装着中は、基本的にお鼻での呼吸をお願いすることになります。
そのため、慢性的な鼻炎や花粉症の方、普段から口呼吸が習慣になっている方は、強い息苦しさを感じてしまいます。

原因② 拘束されることへのパニック・閉所恐怖症

お口の周りがゴムで覆われ、「自分ではすぐに逃げられない」という拘束感が、強い精神的ストレスやパニックを引き起こす原因となることがあります。

苦しい時の対処法(事前の耳鼻科受診や器具のすき間調整)

まずは、花粉症の時期を避けて治療スケジュールを組む、事前に耳鼻科を受診していただくといった無理のない計画を立てます。

また、器具(フレーム)の位置を優しく調整し、お口からも少し呼吸ができるようなすき間を作る工夫も行います。治療中もこまめにお声がけをし、いつでも休憩できる安心の環境を整えます。

どうしても無理な場合は「ラバーダムなし」でも治療可能?

当院では、患者さんの心と体への負担を何よりも大切にしています。
どうしてもラバーダムの装着が難しい場合は決して無理強いはいたしません。
患者さんの状態を丁寧に診断した上で、別の方法(簡易防湿など)で可能な限り唾液を防ぐ工夫を凝らし、安全に治療を進めていく選択肢もご用意しています。

まとめ:後悔しない根管治療を受けるための歯医者の選び方

歯の根の治療は、あなたの大切な歯を抜かずに守るための「最後の砦」です。
ラバーダムをしない歯医者さんには制度上の理由がありますが、10年後、20年後もご自身の歯でおいしく食事を楽しむためには、無菌環境にこだわった精密な治療を選ぶことが何よりも重要です。

久野歯科医院では、三代100年にわたり、地域の皆さまのお口の健康と人生に寄り添ってまいりました。「他院で抜歯と言われた」「神経の治療が怖くて踏み出せない」という方は、諦めないでください。「こんなこと聞いてもいいかな?」と思われることでも、どうぞ遠慮なく当院にお聞かせください。私たちと二人三脚で、生涯の笑顔を一緒に守っていきましょう。

お気軽にお問い合わせください

名古屋市東別院駅周辺で、マイクロスコープとラバーダムを使用した無菌環境にこだわった精密な治療のできる歯科をお探しの方は、久野歯科医院へお気軽にご相談ください。