2016.07.24
噛めているとは?
歯科医院でよく患者さんから聞くフレーズがあります。
『噛みにくい』
『力が入らない』
『違和感がある』
『食事に時間がかかる』
など。
表現方法はいろいろですが、噛むという動作が意識的になっている時点で調子は良くないということを意味しています。
そもそも嚙めるってどういう事を指すのでしょうか?
噛む能力を検査する方法はいくつかありますが、
食べ物の塊を粉々にできるほど噛めてるということなので、従来はピーナッツや生米を使っていました。
決まった回数だけ噛んでもらって、一定の大きさの網を通過させます。
粉々にできるほど網を通過しやすくなるので、網の上に残る量が少ないほどよく噛めているということを指します。
しかし網の上に残った分を乾燥させて計量しなければならず、手間と時間がかかりすぎてしまうため、実際には歯科医院では使いにくい方法でした。
そこで最近導入したのがこちら。
グミです。
これを決まった回数だけ噛んでもらい、グミから出てくる糖分を計測します。
同じ噛む回数でも、嚙めれば嚙めるほどグミは粉々になり、たくさん糖分が出てくるというわけです。
測り方はグミを水に入れて専用器械に一滴たらすだけ。
6秒で結果が出るのでとてもスムーズです。
5回、10回、15回噛んでもらって計測します。
実際に5回、10回、15回と噛むと
こんな違いがでます。
出てくる糖分も噛む回数が増える程多くなっていきます。
ちなみに
噛みにくい症状がある人とない人を比べると
左;嚙める人の5回噛み。
右;噛めない人5回噛み。
細かくできていないことがわかります。
総義歯で噛めないとおっしゃる方の10回噛みは、、、
10回噛んでもまったく細かくなっていません。
噛みにくさは今まで目に見えにくいものでした。
目に見える形にすること、数字にして比較しやすくすること
でこの噛みにくさへの突破口にできます。
噛みにくさが見えたあと大事なのは、なぜ噛みにくいのかの原因を考えることです。
噛みにくい原因は何か。
噛む位置の問題なのか、噛む歯の大きさ、位置、形の問題なのか、噛む力の問題なのか、痛みがあるから噛めないのか、、などなど。
やはりその原因を確定させる診断力が大事だと思います。