2016.09.02
寝ている間に息が止まってしまう病気
睡眠時無呼吸症候群ってご存知でしょうか?
その名の通り、寝ている間に無呼吸、つまり息が止まってしまう病気のことを指します。
原因の多くは空気の通り道がふさがってしまうことにあります。
長いと数分息が止まった状態になってしまいます。
体に酸素がうまく届かず、心拍数の上昇、血圧の上昇を繰り返すため脳、血管に大きな負担をかけます。
長く続くと脳出血、心筋梗塞など重大な生活習慣病を引き起こすと言われています。
そうさせないために
寝ている間にしっかりと体に酸素をとりこませることが大変重要になります。
その方法は代表的には2つあります。
1つはCPAPという機械を装着するもの。
CPAPとは、、、
こんな感じです。
鼻から圧力をかけた空気を送り込む方法です。
狭くなった通り道でも空気は機械の圧力で体に入っていきます。
確実に空気を送りこめますが、装置がかなり大掛かりになってしまうのが欠点です。
当然毎日毎晩必要なので、持ち運びや機械自体の音などが問題となります。
2つめはマウスピース(OAといいます)を装着するもの。
このマウスピース(OA)は下アゴを前に出した状態で固定するように工夫して作ります。
アゴが前に出る分、空気の通り道が広がるというわけです。
軽症の場合はマウスピース(OA)で対応できる場合もありますが、重症の場合はCPAPを用いることが多いようです。
先日、当院にCPAPを10年以上使用されている方が来院されました。
ご本人の希望はマウスピース(OA)を作成することでした。
ただ、主治医の診断は重症とのこと。
マウスピース(OA)で改善は難しいのではということでしたが
ご本人、主治医の先生との相談の結果マウスピースを作成しました。
睡眠時無呼吸症候群の重症度はAHIという指標で判断します。
一晩のうちに何回息が止まっているような状態かを示す指標です。
この方はもともとAHI 50を超える重症の状態でした。
マウスピース作成後、再検査をすると、、、
という主治医の先生からのお返事をいただきました。
今回はマウスピース(OA)が非常に有効に働きました。
とっても嬉しかったです。
患者さんとはまだこの検査結果後はお会いしていませんが、そろそろ検診でいらっしゃるので
お話をお聞きするのがとても楽しみです。
当然すべての症例で有効になるわけではありませんが
歯科サイドだけの判断ではなく、今回の様に耳鼻科の主治医の先生とうまく連携して行うことの大切さを再確認しました。